外国居住者を含む遺産分割協議~サイン証明書と在留証明~その1

司法書士法施行規則31条に基づく遺産承継業務 を受任し、被相続人の預貯金等に関する払戻・配当手続を始めています。

         

相続人間においては既に大まかな遺産分割協議が成立しており、その協議内容をまとめた遺産分割協議書を作成しました。

この遺産分割協議書には相続人全員が署名し、実印を捺印していただくことになります。

         

今回のケースは、その中のお一人が外国に現に居住されており、日本国に住民登録がないため、印鑑証明書の交付を受けることができない事情がありました。

そこで、日本の印鑑証明書に代わる、サイン証明書が必要となります。 このサイン証明書は居住国の日本大使館または領事館で発行を受けることになります。

このサイン証明書には、2種類の形式があり、①合綴型といわれる、遺産分割協議書とサイン証明書を一にまとめたものと、②単独型、①の合綴形式を要しないものがあります。

さて、どちらの形式のサイン証明書を取得していただくべきか・・・・・。①の合綴型は、予め遺産分割協議書を調製したうえで居住国へ国際便で郵送しておくことになるため容易ではありません。

          

提出先である、管轄法務局、口座のある銀行・証券会社に事前に確認することにしました。

法務局の見解は、②の単独型で可能。

銀行・証券会社の見解は、②単独型で可能だが、サイン証明書には住所の記載がされないため、在留証明書も要すると。日本の印鑑証明書には住所の記載がありますが、外国のサイン証明書にはその記載はないんですね。すべての国がそうなのかわかりませんが・・。

           

サイン証明書と在留証明書の原本還付がすべての提出先で可能なのか、法務局は可能であるにしても金融機関は如何か。

外国に居住する相続人の方には、還付されないかも知れず、多めに取得していただくようお願いしました。

       

ただ、時期が時期で・・・。

世界中に新型コロナの影響が出ており、当該国も然り。

なんとロックダウン(都市封鎖)措置が取られているとのこと!! 不要不急の外出を警察が取り締まっていると!!

通常であれば、在日本大使館に赴く必要はあるが容易に取得できるところ、ロックダウン中はその申請は停止されているようで。

          

その措置が解除されるのを待つしかありません。

         ・

         ・

         ・