大正時代に設定された抵当権が抹消されないまま残っている・・・所謂、休眠担保権を抹消する手続きをしています。

不動産を売買するにあたり、担保権が設定されたままでは売り渡すことができません。したがって、売買による所有権移転登記の前提として、担保権を抹消しなければなりません。

抵当権者は旧産業組合で、昭和の初期に解散されており、これを承継した市町村農業会が義務者として申請することになります。

そこで、市町村農業会の閉鎖登記簿を確認すると、解散の登記がされ、14名の清算人が選任されており、清算結了の登記もなされていました。

そもそも、この場合には担保権者の行方不明には当たらないため、不動産登記法第70条第3項後段の休眠担保抹消特例は使えないことのようです。あくまで、この特例は登記義務者の行方が知れないことが必要だからです。

本件の場合は、清算人が選任されているので、その清算人と共同して申請すれば足りることになります。しかし、昭和の初期に選任された清算人が生存されている可能性はかなり低いと思われます。

 

どのような方法で、抹消の申請が可能か、種々の文献を参照しながら検討し、以下の方法を執ることにしました。

① 14名の清算人を確認

   同一市町村で戸籍を集めることができ、比較的短時間で詳細が判明しました。

   14名すべての方が、死亡されており、14通の除籍謄本を取得する。

② 地方裁判所に清算人選任の申立を行う。

   当該不動産の登記名義人を利害を有する者として申立てます。

ここで、問題が発生しました。登記名義人の住所が転々しており、登記上の住所と一致しません。公的書類のみでは住所のつながりが証明できず、登記申請の上では、登記名義人の上申書や権利証などで申請せざるを得ません。

当初は、抹消登記の前件で、名変登記を入れることにしていましたが・・・

 

このことは、裁判所への申立においても同様の扱いが可能なのか、疑義が生じました。

そこで、地裁の書記官に相談すると、” 現状、当該不動産の登記名義人を利害を有する者としての申立が通るかは裁判官次第というところもあり、決定如何で、取下げも考えてもらう必要もあるので、先に登記名義人の住所変更をしてもらったほうがいいのではないか。” こんなニュアンスの回答を得、それならば、先に名変を完了させ、その事後謄本を疎明資料として申し立てることにしました。

 

さて、申立て後の地裁の反応は如何に・・・・・。