保佐人に就任した当時から、被保佐人の財産を調査し、今後の収支を予測したうえで、生活療養費等の捻出のため、被保佐人の自宅の売却を検討していました。

これは、居住用不動産の処分に該当します。(民法859条の3)

ここで、居住用不動産とは、「被後見人等が、生活の本拠として現に居住の用に供している、または居住の用に供する予定がある建物及び敷地をいう」とあります。

仮に被後見人等が現在は入院中であるとしても、退院後に帰る予定の建物はこれに含まれます。

以前に居住していた自宅やこれから住む予定の家も該当します。

 

本件の例では、現在サ高住に入所し居住していませんが、以前に居住していた自宅と言えます。

したがって、家庭裁判所の許可が必要です。許可を得ずにした処分は無効です。

 

いざ、申立をしようにも、いきなり申立をしてもいいものか、悩んだ挙句、管轄家庭裁判所の書記官に相談を持ち掛け、申立て前の事情説明書を提出することになりました。

裁判官に挙げてみます、との指示で。

克明に事情を説明した書面を作成し、添付書面として不動産登記簿や財産目録、収支予測表と併せて提出しました。

数日後、内諾を得ることができました。

 

ところで、本人の不動産の処分に係る代理権を付与されているとはいえ、本人の意向を無視するわけにはいきません。

訪問日に、現在の事情を丁寧に説明し、了承を得ることができました。

また、日頃身の回りのお世話をされている近しい方にも相談し、前向きな結論に至りました。

 

改めて、居住用不動産処分許可の申立を行う準備を始めます。

まず、買主を見つけること。

買主を特定したうえで、家庭裁判所に処分許可を申し立てる必要があります。

相手があることゆえ、ある程度時間がかかることは仕方がありませんが、早いに越したことはありません。

すぐさま、お世話になったことのある仲介業者に相談を持ち掛けます。

 ー 裁判所の許可を必要とする、停止条件付売買契約になること ー

 - 古家付き土地で、建物を解体したうえでの更地渡しとなること ー

 

早速に媒介契約を結び、ホームページにも掲載いただきました。同時に申立に必要となる査定書も依頼しました。

 

取壊しについても処分の対象となりますので、申立書に記載する必要があります。

さらに、解体費用見積書も必要となります。2社の解体業者に相見積をお願いしました。

 

媒介契約から1ヶ月もしないうちに、仲介業者から電話が入りました。

゛買主が見つかりました ”  ゛売買契約を〇月〇日、〇時でお願いします ”

2週間後に売買契約です。

家庭裁判所の許可を停止条件とする売買契約を被保佐人に代わって締結します。

 

さて、2週間経過後・・・